機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

People Image Analysis Human Detection

距離画像を用いた人検出・動作認識

近年, TOFカメラやKinectといったリアルタイムに距離情報を出力する距離画像センサが注目されています. 我々は, 距離画像からの物体認識として, 人検出, 人流計測, 動作認識の研究に取り組んでいます. 距離情報を用いることで, 従来の画像認識フレームワークを利用しつつ, 通常の可視光カメラと比べて認識性能を大幅に向上させることができます.

機械学習を用いた人検出
機械学習を用いた人検出では, 人の距離画像と背景の距離画像を学習サンプルとして, 機械学習により識別器を構築します. このとき, 距離画像の二つの短形領域から算出した距離ヒストグラムの類似度を特徴量として使用します. 検出時は, 検出ウィンドウを三次元空間に設定し, 対応する距離画像の領域から距離ヒストグラム特徴量を算出し, AdaBoostにより識別します. このとき, 対象とする検出ウィンドウより手前に物体が存在する場合, オクルージョンとして判定し, 弱識別器の出力を制限することで, オクルージョンに頑健な検出が可能となります. 評価実験では, 提案手法による人検出精度は95%であり. 可視光カメラ画像の検出精度と比較して約20%向上させることができました.

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凸形状フィルタリングによる人流計測
天井に設置したTOFカメラの距離画像から人体を検出する際, 人体の見えは向きによって大きく変化するため, 上記のような学習ベースでの実現が困難となります. そこで我々は, 人体の肩, 頭, 肩の凸形状に着目し, 凸形状フィルタリングにより人流計測するアプローチを提案しています. 両肩と頭にHaar-likeフィルタを配置し, フィルタの応答値を用いて凸形状を判定します. その際に, 積分画像を利用することで高速なフィルタリング処理が可能となります. 4方向毎のフィルタ出力を統合することで, 人体の頭部の位置をリアルタイムに検出することが可能となります. 検出した人体を追跡することで高精度な人流計測が可能となります.

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距離動画像からの動作認識
動作認識では, 距離動画像から距離情報と時空間情報を抽出して学習により実現します. 我々は, 天井に設置したTOFカメラの距離画像から, 商品に注目する動作の認識に取り組んでいます. 商品を手に取る動作の時空間情報として, 距離動画像からPSA特徴量を, 距離情報には手の部位等の距離ヒストグラムのピークを特徴量として学習し, マルチクラス識別器を構築します. 上段, 中段, 下段の商品を手に取る動作とそれ以外の動作を判別することが可能となります.

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