機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Human Detection 学術論文(J)

距離情報に基づく局所特徴量によるリアルタイム人検出

Author
池村翔, 藤吉弘亘
Publication
電子情報通信学会論文誌, vol. J93-D, no. 3, pp. 355–364, 2010

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近年、統計的学習法と局所特徴量を用いた人検出に関する研究が多く取り組まれている。従来の人検出法では、 HOG (Histograms of Oriented Gradients)特徴量のようなこう配情報に基づく特徴量を用いる手法が多いが、人の重なりや複雑な背景に対して人検出が困難となる場合がある。更に、検出時には検出ウィンドウのスケールを変化させながら画像上を複数回にわたりラスタスキャンするため処理コストが高く、リアルタイム処理が困難である。そこで、本論文ではTOFカメラから得られる距離情報を用いて人の重なりや複雑なシーンに頑健なリアルタイム人検出手法を提案する。提案手法では、距離画像から二つの局所領域の距離関係をとらえることができる距離ヒストグラム特徴量を抽出する。抽出された特徴量を用いてReal AdaBoost識別器を構築し、人の識別を行う。検出時には三次元実空間における検出ウィンドウのラスタスキャンをすることで、人の大きさに合わない検出ウィンドウを削除して、高速化を実現する。三次元実空間におけるMean-Shiftクラスタリングにより人と識別された検出ウィンドウを統合することで、人がどこにいるかを自動的に検出することができる。評価実験の結果、誤検出率5.0%において検出率98.9%となり、HOG特徴量を用いた従来法と比較して4.9%検出率を向上させることができた。また、提案手法は約10 fpsでリアルタイムに人検出が可能であることを確認した。

※本発表は電子情報通信学会情報・システムソサイエティ論文賞を受賞しました。

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