機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Local Image Feature

Cascaded FASTによるキーポイント検出

画像間のキーポイントの対応付けは、特定物体認識、パノラマ画像生成、画像検索などのアプリケーションに用いられ、コンピュータビジョンの分野では重要な処理の1つです。このようなアプリケーションにおいてキーポイント検出は前処理に相当するタスクとなるため、可能な限り高速な処理が必要とされています。
画像中のコーナー点を高速に検出する手法として、Features from Accelerated Segment Test (FAST)が提案されています。FASTは、機械学習により決定木を構築し、その決定木をトラバーサルすることで高速にコーナーを検出します。しかし、テクスチャが複雑な自然領域(木の葉,植え込み等)からコーナー点を多く検出する問題があります。このようなコーナー点はキーポイントの対応付けにおいては不要な点であり、キーポイントの対応付けの計算コストを増大します。
そこで、我々は異なる周囲長を参照する三種類の決定木をカスケード状に並べたCascaded FASTを提案しています。Cascaded FASTは不要なコーナー点の検出を抑制しつつ、コーナーらしい点のみを高速に検出することが可能となります。

Cascaded FASTのキーポイント検出の流れキーポイントマッチングの処理時間の比較

Cascaded FASTは参照画素の異なる3つの決定木をFASTと同様に学習して、その決定木をカスケード状に並べることでコーナーらしい点を高速に検出します。その際に、オリエンテーションを算出することで、コーナーらしさを評価します。また、ピラミッド処理を用いてスケールを求めることで、コーナー点におけるスケールとオリエンテーションを求めることができます。検出したスケールとオリエンテーションを用いて正規化したパッチ画像にORBによる2値特徴量を記述することで、高速なキーポイントの対応付けを実現することができました。キーポイントの対応付けの処理時間を従来法と比較すると、対応点探索時の距離計算を大幅に削減し、約20FPSの速度でマッチングが可能です。

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