機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

First Person Vision 口頭発表

自由空間における注視点の3次元位置を取得するInside-Outカメラの提案

Author
西尾和晃, 木村誠, 藤吉弘亘, 平田豊
Publication
画像センシングシンポジウム, 2009

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従来の視線計測装置は,視界を撮影するカメラが眼球と異なる位置に設置してあるため,実際の視点と同じ映像を撮影することができない.そのため,対象を既知の平面に限定するなど,注視位置に関する拘束条件を設けたシステムが主流である.本稿では,両眼の視界に近い映像を撮影することができるゴーグル型視線計測装置Inside-Outカメラとそれを用いた注視点の3次元位置推定法について提案する.Inside-Outカメラは,両眼を撮影するEyeカメラ2台とそれぞれの視界を撮影するSceneカメラ2台の計4台のカメラで構成されている.Eyeカメラは,ハーフミラーを介して,左右の眼球映像を取得することができる.Sceneカメラは,光学的に眼球とほぼ同じ位置から撮影している状態を作り出し,両眼の視界に近いステレオ映像を取得することが可能である.Eyeカメラにより撮影した眼球画像から,瞳孔中心と眼球回転中心を結ぶことにより,3次元視線ベクトルを推定する.推定した視線ベクトルを座標変換することで,Sceneカメラの座標系における3次元視線ベクトルを算出する.ここで,理想的には両眼の視線ベクトルの交点として注視点の 3次元位置が取得可能である.しかし,実際には視線ベクトルの推定誤差により,両眼の視線が3次元空間で交差せず,注視点の3次元位置が取得できないという問題が発生する.そこで,本稿ではSceneカメラの画像平面と視線の交点を算出することで画像中の注視点を求め,両眼それぞれの注視点をSceneカメラ画像中で最適補正することで,注視点の3次元位置を高精度に取得する.評価実験の結果,本システムの有効性を確認した.

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