機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Vision Applications 口頭発表

ピクセル状態分析による固定監視映像の圧縮

Author
西貴行, 藤吉弘亘, 梅崎太造
Publication
画像センシングシンポジウム, 2004,

Download: PDF (Japanese)

従来, 監視映像の記録には一定間隔に撮影した画像フレームを符号化して保存するタイムラプス方式が用いられている. しかし, タイムラプス方式は監視対象となる物体が存在しないフレームも保存するため, 記憶量が膨大となる問題がある. 一方, オブジェクトベース符号化は画像から人物等の重要な前景領域を抽出し, 背景と区別して情報を扱うので映像を高能率圧縮することが可能である. 本稿では, ピクセル状態分析を用いたオブジェクトベース符号化について提案する. 本手法は, ピクセル状態分析による物体検出により画像から前景と背景を判別する. さらに, 前景である物体領域の各ピクセルを静状態もしくは動状態に判別する. 静状態ピクセルは, 1フレーム前の同じ位置における輝度値を配置することにより復元可能であるため, 各フレームにおいて輝度を保存する必要がない. これにより, 記憶量の減少が期待できる. さらに, 前景の動ピクセルはLZHで圧縮する. LZHは可逆圧縮なので, 圧縮による劣化を受けない. 本手法の有効性を評価するために, 9つの映像においてMPEG-4と本手法の圧縮率の比較実験を行い, MPEG-4よりも圧縮率が15%高く, 移動領域の画質が良いという結果を得た.

前の研究 次の研究