機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Deep Learning 解説論文

深層学習による画像認識

Author
藤吉弘亘, 山下隆義
Publication
日本ロボット学会誌, vol. 35, no. 3, pp. 180–185, 2017

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1990年代後半に入ると汎用コンピュータの進化に伴い,大量のデータを高速に処理できるようになったことから,画像から画像局所特徴量と呼ばれる特徴量ベクトルを抽出し,機械学習手法を用いて画像認識を実現する手法が主流となった.機械学習は,クラスラベルを付与した大量の学習サンプルを必要とするが,ルールベースの手法のように研究者がいくつかのルールを設計する必要がないため,汎用性の高い画像認識を実現できる.2000年代になると,画像局所特徴量としてScale-Invariant Feature Transform (SIFT) やHistogram of Oriented Gradients (HOG) のように研究者の知見に基づいて設計した特徴量が盛んに研究されていた.このように設計された特徴量はhandcrafted featureと呼ばれる.そして,2010年代では学習により特徴抽出過程を自動獲得する深層学習 (Deep learning) が脚光を浴びている.handcrafted featureは,研究者の知見に基づいて設計したアルゴリズムにより特徴量を抽出・表現していたため最適であるとは限らない.深層学習は,認識に有効な特徴量の抽出処理を自動化することができる新しいアプローチである.深層学習による画像認識は,一般物体認識のコンテストで圧倒的な成績を収めており,様々な分野での利用が進んでいる.本解説では,画像認識分野で深層学習がどのように適用され,どのように解かれているのか,また深層学習の最新動向について解説する.

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