Human Detection
口頭発表
量子化残差に基づく特徴量の遷移尤度モデルを導入した識別器の提案
- Author
- 山内悠嗣, 金出武雄, 山下隆義, 藤吉弘亘
- Publication
- 画像の認識・理解シンポジウム, pp. 373–380, 2011
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近年,特徴量の低メモリ化やノイズに対する頑健性を得るために,実数で表現される特徴量を2値化した2値符号列が物体認識の分野で利用されている.しかし,実数で表現される特徴量を2値化することで,特徴量に含まれる多くの情報が欠落する問題がある.そこで,我々は特徴量を2 値化する際に欠落する情報である“量子化残差”に着目する.本研究では,画像から観測される2 値符号列が他の2 値符号列へ遷移する可能性を考慮するために,量子化残差を用いた2つのアイデアに基づき遷移を予測する遷移尤度モデルを識別器へ導入する.1つ目は,学習サンプルから観測される2 値符号列と量子化残差に基づいて作成される遷移尤度分布に従い,2値符号列が他の2値符号列へ遷移する可能性を予測する.2つ目は,識別時に観測される量子化残差から他の2 値符号列への遷移を直接的に予測する.これにより,観測された2値符号列が他の2値符号列が何らかの影響により真に得たい2値符号列とは異なっても,本来得たい2値符号列までも考慮した識別が可能となる.実験の結果より,提案手法である量子化残差に基づく遷移予測を導入した識別器は,導入する前の識別器と比較して高精度な歩行者検出が可能であることを確認した.