機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Local Image Feature 口頭発表

追跡対象と周辺領域の関係性を利用した協調的な物体追跡

Author
山下隆義, 藤吉弘亘
Publication
画像の認識・理解シンポジウム, pp. 56–53, 2011

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物体追跡は,追跡対象の形状変化や照明変化による見え変化,物体の移動やカメラ移動による動き変化,他の物体や追跡対象自身による遮蔽など様々な変化が生じる複雑な状況下でも対象を追跡し続けることが求められている.従来の物体追跡は,これらの問題に対して,追跡物体と背景領域を区別するのに有効な情報を捉えることに主眼を置いてきた.我々は視点を変え,追跡物体と背景領域を区別するだけでなく,背景領域から追跡対象の状況を理解して,その情報を活用することができる新たな物体追跡のモデルを提案する.提案モデルでは,追跡対象とその近傍領域との空間的な関係性と特徴の類似性をもとに,追跡対象に生じる誤追跡の発生確率を周辺状況として導く.この発生確率をもとに,追跡の振る舞いを変えることで,類似する物体や背景への誤追跡を防ぐことが可能となる.提案手法の有効性を示すために,提案する追跡モデルと関連する従来手法と追跡性能の比較を行った.その結果,提案手法は複雑背景や類似物体との遮蔽が生じる様々なシーンにおいて従来手法より追跡性能が向上していることを示すことができた.

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