グラフカットによる画像セグメンテーションと画像分類
Graph Cuts from MPRG, Chubu University on Vimeo.
画像処理における重要な問題の一つに画像セグメンテーションの問題があります. 画像セグメンテーションは, 一枚の画像に対して対象物体と背景の領域を分割(セグメンテーション)する手法で, 一般物体認識や画像合成の前処理として利用されています. 画像セグメンテーションの一般的な手法としてGraph Cutsが利用されています. Graph Cutsは各領域からエネルギー関数を定義して画像セグメンテーションを行う手法です. 本研究では, 平滑化画像を用いて繰り返しGraph Cutsを行うことにより, 大域的なセグメンテーションから段階的に局所的なセグメンテーションを行うことで, 複雑なエッジを持つ対象物体においても正確な画像セグメンテーションを実現しました.
また, Graph Cutsのパラメータであるλに対して, 安定したセグメンテーションが可能であることを実験により確認しています.
動画像に対するグラフカットセグメンテーション
このような画像セグメンテーションは静止画像だけでなく, 動画像にも展開することが可能です. 動画像の各画素をノードとしてグラフを構成すると, グラフサイズが大きくなり処理が困難となります. そこで, 我々は動画像を時系列のボリュームデータとみなし, Spatio-temporal Volumeを用いて各ボリュームをノードとした繰り返し処理によるグラフカットを提案しています.
セグメンテーション結果を利用した画像分類
画像セグメンテーションにより得られた前景と背景の関係性を特徴表現することで, 画像分類の性能向上が期待できます. 下記の図は, 画像全体から特徴量記述した場合と, Graph Cutsによりセグメンテーションした前景と背景領域毎に特徴量記述した結果を示しています. 色が濃いほど有効な特徴量を表しており, 赤が背景領域, 青が前景領域を示しています. そこで, 本研究では前景と背景の局所特徴の共起性に着目した2+1次元ベクトル量子化ヒストグラムを用いたBug-of-featureを提案し, 高精度な物体認識を実現しました.