Amazon Picking Challenge 2015 : Team C^2M
米Amazon.comが物流の自動化技術を競うロボット大会「Amazon Picking Challenge」を初開催し, 本研究グループは, 中京大学橋本研究室, 三菱電機先端技術総合研究所との合同チーム「C^2M」として参加しました. 大会は, 米Amazon.comと国際会議ICRA(International Conference on Robotics and Automation)が主催し, 5月26~28日に米・シアトルで開催されました.マサチューセッツ工科大学やベルリン工科大学など, ロボット分野において世界をリードする大学, 研究機関, メーカー30カ国32チームがエントリーし, ロボットアームで棚から商品を取り出す精度や速さを競いました. 私たちのチームは, 企業・各大学がそれぞれの得意な技術を持ち寄り, 本チャレンジに望みました.
Amazon Picking Challenge
Amazon Picking Challengeは非構造的環境における自動ピッキング装置の開発を目的としています. ロボットは棚のAからLに割り当てられた12個のBinの中から指定された商品をピッキングします. 12個のBinには1つの商品が存在するSingle BIn, 2つの商品が存在するDouble Bin, 3つ以上の商品が存在するMulti Binが存在し, Bin内の商品の数が多いほど高難易度になり獲得得点も高くなります. しかし, ピッキングする商品を誤選択したり, 把持に失敗し商品を落下させると大きな減点になるので, 高度なロボット制御と高精度な商品の識別が必要になります.
Team C^2M
私たちのチームは中部大学機械知覚&ロボティクスグループ, 中京大学橋本研究室, 三菱電機先端技術総合研究所の産学合同チームとして大会に参加しました. チームC^2Mではロボットシステムの設計, 制御の開発を三菱電機先端技術総合研究所が行い, 認識アルゴリズムの開発を2大学合同で行いました. 認識アルゴリズムでは本研究グループがアピアランスベースの物体認識を, 中京大学橋本研究室がポイントクラウドベースの物体認識を開発し,ピッキングする商品によって認識アルゴリズムを切り替える戦略をとりました.大会の結果は第6位(日本勢では最高位)でした.
ロボットの特徴
・使用機体:三菱電機社製 産業用ロボット MELFA [Link]
– 産業用ロボットの使用によりコー・ロボットと比較して精密な動作の実現が可能です.
・ビジョンセンサ:三菱電機社製 MELFA-3D VISION [Link]
– カメラヘッドが小型・軽量でロボット本体への取り付けが可能なため, 大会でもロボットに装着して使用しました.
– MELFA-3D VISIONは,他チームのセンサと比較しても高品質な情報の計測を高速に行うことが可能です.
・ハンド変更・孫の手アーム
– 私たちのチームでは商品の大きさによって, 3種類の開き幅のハンドの中から最適なものを選択し, ロボットが自動でハンドの脱着を行う機構を備えています.
– 商品がBinの奥または隣接して存在し把持できない場合は, 孫の手アームを装着し商品を掻き出す・押し込むといった動作により商品を動かす戦略をとりました.
認識エンジン
・アピアランスベースの物体認識(本研究グループ)
– Cascaded FAST [Link]:参照画素の異なる3つの決定木を学習し, その決定木をカスケード状に並べることでコーナーらしい点を高速に検出します.
– Weighted Hough Forest [Link]:学習時のサンプルに重みを導入し, 認識物体のユニークな形状を学習することで, 誤認識を抑制しています.
・ポイントクラウドベースの物体認識(中京大学橋本研究室)
– Vector Pair Matching[Link]:3点の3次元点で構成されたベクトルペアの中から, 安定的に観測可能なペアを照合に利用することで高精度な認識が可能です.
・モデルレス認識(三菱電機先端技術総合研究所)
– Fast Graspability Evaluation[Mail]:把持したい物体の形状・種類に関わらず, 高速に把持点の検出が可能です.
リンク集
・中京大学 橋本研究室
– 研究室Webページ [Link]
– チャレンジに関する活動 [Link]
– チャレンジの関連技術 [Link]
・三菱電機先端技術総合研究所 [Link]
・Amazon Picking Challenge [Link]
・優勝チーム:Team RBO [Link]
・第2位:Team MIT [Link]
MEMBER LIST
・Chubu University
– Hironobu Fujiyoshi, Takayoshi Yamashita, Yuji Yamauchi, Ryuei Murata, Takahiro Hasegawa, Masaya Kaneko, Yusuke Murai
・Chukyo University
– Manabu Hashimoto, Shuichi Akizuki, Masanobu Nagase, Yasunori Sakuramoto, Shoichi Takei, Shun Itoh
・Mitsubishi Electric Corp.
– Yukiyasu Domae, Ryosuke Kawanishi, Koji Shiratsuchi, Rintaro Haraguchi, Masahiro Fujita, Alex Bonaire, Steve Pacitto