機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Local Image Feature 口頭発表

固有値テンプレートによるFast Graspability Evaluationの高速化

Author
真野航輔, 長谷川昂宏, 山内悠嗣, 山下隆義, 藤吉弘亘, 堂前幸康, 川西亮輔, 関真規人
Publication
日本ロボット学会学術講演会, 2017

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産業用ロボットや生活支援ロボットの重要なタスクの1つとして,ボルトやリモコン等の物体把持が挙げられる.このタスクを実現するには,ロボットに搭載されたビジョンセンサを用いてRGB画像や距離画像を撮影し,物体の最適な把持位置を検出する必要がある.このような物体把持位置検出法は,機械学習に基づく手法とモデル当てはめに基づく手法に大別できる.モデル当てはめに基づいた把持位置検出法は,Fast Graspability Evaluationが提案されており,ロボットのハンドモデルを用いて把持位置を検出する.また,把持物体の3次元点群を円柱等の単純なモデルで当てはめることで,物体の把持位置を推定する手法も提案されている.機械学習に基づく把持位置検出法は,最適な把持位置を検出するために,学習用画像から得られる特徴量を用いて物体の把持位置をSVMやニューラルネットワークで学習させる.また,畳み込みニューラルネットワークにより画像特徴量も学習過程で獲得することで,より最適な把持位置を検出する手法も提案されている.様々な把持位置検出法の中でもFast Graspability Evaluation (FGE) では,対象物体領域にハンドモデルの2値画像を畳み込むことにより,高速に把持位置を検出することができ,産業用ロボットで利用されている.しかし,高精度な把持位置検出を実現するには,ハンドの開き幅や回転角度等の状態数を増やして2値画像を畳み込む必要がある.これによりハンドの状態数に応じて計算コストが増えるという欠点がある.本研究では,固有値テンプレート法を導入したFGEにより物体の把持位置を高速に検出する.提案手法は,オフライン処理でロボットハンドと物体が衝突する領域と接触する領域のそれぞれに対してハンドテンプレート群を生成しする.生成したハンドテンプレート群に特異値分解を適用することでテンプレート群をコンパクトに表現し高速化を図る.

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