機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

First Person Vision 口頭発表

角膜における屈折を考慮した3次元眼球運動計測

Author
坂下祐輔, 藤吉弘亘, 平田豊
Publication
画像センシングシンポジウム

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眼球運動には水平,垂直,回旋(Yaw, Pitch, Roll)の3次元運動がある.通常,カメラで捉えた瞳孔は実際の瞳孔の角膜屈折による虚像であるため,カメラ映像から眼球運動を計測すると誤差が生じる.本提案手法では,眼球のパラメータにヒト眼球の平均値を用い,角膜における屈折を考慮した高精度な3次元眼球運動計測法を提案し,その有効性と実用性を示す.本提案手法は,屈折による歪みを取り除いた瞳孔画像から,瞳孔を楕円と仮定し,楕円に内接する平行四辺形の成立条件より投票処理を用いて楕円中心を算出する.楕円中心を通る直線と交わる輪郭点の関係からアウトライアの除去を行い,除去後の輪郭点から楕円パラメータを最小二乗法により求める.これにより,高速かつ,高精度な瞳孔抽出が可能となる.次に,求めた瞳孔中心と瞳孔径を基に,虹彩パターンを取得し,予め取得した回旋運動が生じていない安静時における虹彩パターンとの相対回旋角をパターンマッチングにより求める.評価実験の結果,25 度まで視線を傾けた場合でも真値との誤差1.5 度以下で眼球回旋角度を計測できることを確認した.

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