機械知覚&ロボティクスグループ
中部大学

Vision Applications 学術論文(J)

歩行者ITSのためのフレーム間差分による移動体検出法とその評価

Author
藤吉弘亘, 小村剛史, 矢入(江口)郁子, 香山健太郎, 吉水宏
Publication
コンピュータビジョンとイメージメディア研究会, vol. 45 pp. 11–20, 2004.

歩行者の移動支援を目的としたRCTシステム(Robotic Communication Terminals)は, 環境端末(Environment-Embedded Terminal,EET), ユーザとともに移動するユーザ携帯型移動端末およびユーザ搭乗型移動端末の3つのタイプの端末からなる. 環境端末は, 屋外に設置したカメラ映像から人や車等の往来を検出し, ユーザへ提供する. その際には, 様々な環境下で24時間ロバストに動く必要がある. 本論文では, 過去数フレームの輝度変化を反映したしきい値によるフレーム間差分に基づく移動体検出法を提案する. 時間帯・天候条件により分類した映像データベースを用いて検出時間に基づく評価実験の結果, 約90%の移動体検出率を得た. 歩行者ITSにおける評価として, 環境端末がカメラから画像を取得してから歩行者が携帯する端末に移動体情報が表示されるまでの時間を測定した. クライアントが3台の場合, 環境端末が移動体を検出してから0.152[sec]の時間で歩行者に物体情報を提供することが可能であり, 次世代の歩行者ITSとしての有効性を確認した.

前の研究 次の研究