学術論文(J)
Part-Prototypeによる解釈可能な深層学習の研究動向
- Author
- 鵜飼祐生,佐野景介,平川翼,山下隆義,藤吉弘亘
- Publication
- 電子情報通信学会論文誌 D,No.9,pp.462-488
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深層学習はその識別性能の高さから様々な認識タスクへの応用が進められている.一方,深層学習モデルの推論過程は非常に複雑なため,人間に理解のできないブラックボックスとなっている.そのため,推論結果が重大な影響を及ぼすハイリスクドメインへ深層学習を適用することは難しい課題がある.この課題に対し深層学習モデルの解釈可能性を改善するための研究が活発に行われている.中でもPart-Prototypeを用いた事例ベースの推論による’this looks like that’フレームワークが解釈可能な深層学習モデルを実現するアプローチとして幅広い注目を集めている.理論・応用の観点から数多くの’this looks like that’フレームワークに基づき解釈可能性を実現する手法が発表されている.一方,これら手法を包括的かつ体系的にまとめたサーベイは存在しておらず,既存研究の成果は明確となっていない.そこで本論文ではこれら手法のサーベイを行い,技術的な進展や応用の観点から各手法を分類する.また従来研究では解決しきれていない未解決の問題を説明し,今後の展望について議論する.