画像局所特徴量SIFTと最近のアプローチ
藤吉弘亘,“画像局所特徴量SIFTと最近のアプローチ”,人工知能学会誌 25(6),753-760,2010.
近年のデジタルカメラの普及に伴い日常的に画像が記録され、大量な画像を効率的に扱うことが要求されています.大量な画像を扱うタスクの代表的な例として,画像検索や画像合成などが挙げられます.特に画像検索では,アーカイブされた写真を人物,風景,花,スポーツなどのカテゴリーに分類し,タグを自動的に付加する技術が必要とされています.画像分類を実現する手法として,Bag of Featuresというアプローチが提案されています.Bag of Featureで用いる画像局所特徴量には,スケールや回転変化に頑健である必要があるため,SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)がよく用いられます.パノラマ写真のような画像合成は,画像間の対応点探索により実現され,高精度な対応点マッチングが不可欠です.このような対応点マッチングにも,スケール,回転変化に不変であるSIFTが用いられています.
SIFT特徴量は1999年に発表され,画像分類や画像合成など幅広い分野で使われています.近年では,SIFTを高精度化したPCA-SIFTやGLOHが提案されています.高速化のアプローチとしては,GPUを用いたものやSURFが提案されています.さらに,高精度化と高速化を同時に実現するアプローチとしてRandomized Tree(Random Forest)を用いた手法が提案されています.
本稿では,SIFT特徴量の概要と,SIFT特徴量をを改良したPCA-SIFT,GLOH,SURF,GPUを用いたSIFT,Randomized Treeについて紹介します.
1章 はじめに
2章 SIFT
3章 SIFTの高精度化
4章 SIFTの高速化
5章 学習を用いた高精度化と高速化